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/ o3の“あとは読んでのお楽しみ”(ナビゲーター高階&司田)

 
◆2022年10月のテキストについて
 

 

o3流の秋の味覚パーティーを開催!
読む飯テロとでも呼ぶべきとびっきりのラインナップでお届けします。

 
 
一品目に、代表作『二十四の瞳』が有名な壷井栄
 
《メバル、チヌ、タナゴなど二つか三つ切りにした季節の小魚を、両手を廻したほどの大皿に山盛りしてある。もちろん野菜と一しょにぽん酢でたべる。身のはぜかえるほど新しい魚はいくら食べても飽きず、》

肩の力の抜けたエッセイで『瀬戸内の小魚たち』の美味しさを堪能していただきます。

二品目は、文豪・森鷗外の短編『牛鍋』より、冒頭の緊迫感あふれる場面。


《鍋はぐつぐつ煮える。牛肉の紅は男のすばしこい箸でかえされる。白くなった方が上になる。斜に薄く切られた、ざくと云う名の葱は、白い処が段々に黄いろくなって、褐色の汁の中へ沈む》


手際のいい描写で、香りたつ鍋を覗き込んでいるような気分になります。


そして〆に、マンガ『美味しんぼ』の海原雄山のモデルとされる

北大路魯山人による『海苔の茶漬け』

《これから私が話そうとするのは、もっと手軽なのりの茶漬けである。それは、いいのりをうまく焼いたものか、焼きのりのうんと上等のを、熱い御飯の上に揉みかけ、その上に醤油をたらし、適当にわさびを入れて、茶を注げばよろしい》


「よろしい」!(笑)手軽なはずのお茶漬けが真剣勝負みたいになるのが愉快です。

 
一筋ではいかない作家たちによる、美食三昧。
読み、語り、舌も腹も大満足のひと時をぜひご一緒しましょう!

◎今回の催しでは、原作の一部分を抜粋してお届けします。
 全文をお読みになりたい場合はコチラ↓からどうぞ。青空文庫に飛びます。
 
壺井栄『瀬戸内の小魚たち』

 

森鴎外『牛鍋』

 

北王子魯山人『海苔の茶漬け』

(※お申込みいただいた参加者には、今回の催しで使用する台本verを後日お送りいたします。そちらのファイルを事前に印刷いただくと、参加時に便利です)